初めての法律相談

法律相談に来られた際に,初めて弁護士に相談するのでどうしていいか分からないというようなお話を聞くことがあります。
そこで,法律相談のご準備としてお勧めすることを書かせていただきたいと思います。

ご相談の準備としては,ご相談内容を紙に書いてまとめられることをお勧めしています。
相談で聞きたいことの一覧や,これまでの出来事を時間の流れに沿って書いた時系列表,関係する人物の一覧などを書いてご準備いただければ,より短い時間で充実したご相談をさせていただくことが可能です。
また,事件の見通しなどをお話しするためには,どのような資料があるかを見る必要がありますので,事件に関係する資料はできる限り持ってきていただいた方がよいでしょう。
とはいっても,関連する資料というのがどれかというのは,分かりづらい場合もあると思いますので,少しでも関係のある資料はすべて持ってきて,弁護士に必要なものを選んでもらおうと考えてもらえばいいと思います。
法律相談に来られる方には,初めての法律相談という方も多いですので,それほど緊張せず,お悩みをお話しいただければと思います。

交通事故の損害について

相手の不注意のせいで交通事故にあい、車が壊れたり、怪我をしたりした場合、損害賠償を請求することができます。
では,この「損害」とはなんでしょうか。

損害に関する考え方としては、「差額説」という考え方が使われています。
これは、事故にあっていかなった場合の財産状況と、事故にあった場合の財産状況を比べ、その差額を損害と考える考え方です。
たとえば,事故に遭わなかった場合を「100」,事故に遭った場合を「80」とすると,その差の「20」が損害となります。

とはいえ,事故に遭わなかった場合の財産状況というのは推測するしかありませんし,事故に遭った場合でも後遺障害が残った場合の将来への影響というのも想像することしかできません。
差額を計算するというのは,思ったより簡単なことではありません。
実際には,治療費や慰謝料など,具体的な損害の費目ごとに,損害額を考えていくことになります。